隠居生活

だいたいひとりでこじらせてます

ありがとうヴァンガードGギアースクライシス編

 

 ギアースクライシス編もとうとう最終回を迎えましたね。個人的な感想としては全編通して最高の一言に尽きるわけなんですが、今回はクライマックスともいえるアルティメットステージの感想を書こうと思います。なのでいつも以上に長いです。もうめっちゃくちゃ長いです。

 

トコハVSミサキ

 トコハとミサキさんは前回の進路相談の時に一回戦ってるし、その時に思いを伝えているから、今回ミサキさんが何も言わなくてもエールだってトコハに伝わっているの良いね…こういう前の話が地味に生きてくる描写がGには多いからホント好き(進路相談会とこの話の脚本の方が同じなので尚更そう思うのかもしれません)

 

 しかしブルームの描写可愛いすぎだったし神だったけど絵面はどう見てもゴリラ集団なの草生える。

 

安城トコハ

 

 トコハは当初むらくも使いの予定だったらしいけど、ネオネク使いになったことで「江戸っ子で勝気だけど同時に乙女で可愛いものが好きな女の子」というキャラ配分になっているのが神がかってると思うし、トコハにネオネクを当てたスタッフには感謝しかないです。

 

 そしてトコハがマモルさんを尊敬してることは常々描かれてるけど、今回トコハのファイトを見たマモルさんが「俺も負けてられないな」って刺激受けてるのを見て、安城兄妹の情報交換しつつお互いに尊重しながら切磋琢磨しあってるの本当に尊いし光しか感じない。

 

ミサキさんのファイト

 

 ミサキさんの記憶能力ファイトって無印の頃もたまにしか描写されてないし、演出も派手にしようが無いから「バインド!」の方が代表的になってしまった感が否めなかったけど、敵に回すとこんなに恐ろしかったんだな…ミサキさんの能力の怖さって敵に回した時にめちゃくちゃ分かる奴だよな…と改めて思ったし、そういう意味でもキャラの描き方が素晴らしいなと思った回でした。

 上手いな〜と思うのは前にトコハの進路相談回で優しく話を聞いてアドバイスしてたお姉さんと描いているから、今回キツめな感じにしても本当に怖いお姉さんではないと、無印から見てる人は勿論だけどGから入った人も分かるところ。

 

 Gは変な言い方すると「負け」の描写が上手いと思うんですよね。ファイト描写とファイトの後にファイター同士に何が生まれるかが重点に描かれているから、勝ち負け自体にはあまり目線がいかないようになってる(と自分は思っています)。

  ヴァンガは主要人物同士のファイト描写が多いからそういう面でもファイトを描くのってやっぱり難しいだろうね。勝敗が全てではないとは言ってもやっぱり好きキャラには勝ってほしいし!ってファンの声も当然あるから、そこら辺の配分は本当に気を遣うだろうなぁ。

 そう考えるとGは1期・2期通して「勝ち負けだけがすべてじゃない」ってことをストーリーやファイト描写で描いてくれてるから説得力あるし好きなんだよなと改めて思った回でもありました。

 

シオンVS櫂

 櫂からもらったジャケットを脱ぎ「綺場シオン」として、純粋に本気で、でもファイトを楽しみながらやっているのを見て「よかったね~!!!」と胸がいっぱいになりました。今までは重い現実や心情を抱えながらの生活だったのを考えると、シオンが心から楽しいと思えたのは本当にいつ頃ぶりになるんだろう…(しかしそれを次の回で打ち砕く脚本のシオンへのゆがんだ愛も好きです笑)(そのことについては後で書きます)

 

 来い!と全力で焚き付けて相手が頑張ったら優しく抱きとめてよくやった…と微笑みかけるとか櫂くんのスキルが進化しすぎている…シオンを文字通り抱き止める櫂くんの包容力の高さは何なの?それどこで身につけてきた?

 

 以前の櫂トシキにとってファイトの強さこそ絶対だったけど、強くなった相手も、何より負けた自分の事も受け入れて、そのうえで「よくやった」と声をかけてるの本当に成長したよな〜と思います。

 成人の櫂くんは包容力抜群で落ち着いてるいいお父さんになりそうな感じがして、あの針鼠みたいだった櫂くんがな〜と思うと感慨深いけど、ショタの時の活発で皆の中心にいた櫂くんを思うと真っ当な成長にも見えて二度美味しい。ショタ櫂くんって密かに近所のおばさんたちに将来いい男に成長しそうとか言われてそうだもんな。

 そもそも櫂くんは元は孤高とは似ても似つかぬ性格で、レン様との諸々から人を傷つけない方法として距離を取ることを選んでいた(さとたく談)から、今の櫂くんは心身ともに成長した故に自分自身を出す余裕が出てきたんだろうな〜と思うと感慨深い。

 

 そして自分が一番心に来たのは、シオンが何度焼かれても負けそうになっても、絶対に目をそらさずに最後まで見届けていたクロノとトコハでした。これはマモルさんも気づいてたけど、トリドラやクミちゃんが見てられない!と目をつぶったり顔を背けたりしてる中で、クロノとトコハは最後までシオンから目を逸らさずに見届けていたの本当にトライスリー…尊い…。

 

  ところで情報局で明かされた、以前ドラエンのGクエストの手伝いをしていたトライスリーが食べていた「まかないカレー」を作ったのが櫂トシキだったという裏設定に思わず吹いたのですが、シオンと櫂くんは間接的とは言えカレーで既に伏線というか接点が出来てたんだなぁと思うと…接着剤ポシが食べ物なのもGらしい…櫂トシキとファイトし終え、ある種晴れやかな気持ちになってるシオンに「君がドラエン支部のクエストの手伝い時に食べていた賄いのカレー作ったの櫂トシキだよ」って教えたいよね〜反応めっちゃ気になる。

 

 

というわけでここまで「トコハVSミサキ」「シオンVS櫂」の感想をだらだら書きました。最後に「クロノVSカムイ」の感想を書きたいと思うのですが、アルティメットステージ以外でも見どころ(というかたぎり過ぎて感想ぶつけたいシーン)があったので、ちょっと話は逸れるのですがここで入れたいと思います。

 

 

東雲ショウマVSシオン

 まさかの刺客、東雲ショウマ。シオンの目の前に本当に唐突に表れてきてびっくりしました。東雲ショウマ、アムちゃんを回収しにいくのが目的っぽそうだったけど、まさかシオンがアムちゃんの後をつけてくるとは…たぶんそれも踏んでそうだな……。

 

 そして綺場家を陥れたことを匂わせるような発言したことでシオンの右ストレートが炸烈!まさか流血沙汰になるとは思わなかった。シオンのパンチ入れてる箇所が全部違うの謎のこだわりを感じるし、利き手じゃない左手で大の男を射止めてからの利き腕での渾身のパンチとか殺意高すぎでしょ(好き)。そして最初の右ストレートでガチ目に東雲にダメージ入ってるのになんかすごく燃えた。シオン君はあれだよね、普段殴り合いの喧嘩しなれてないからキレると力の加減の方法がわからなくてうっかり拳が鳩尾にめり込むタイプだよね。

 

 そして伊吹が止めに入るのも意外だったんだけど、そういえば伊吹も自分の激情にまかせて暴力をふるった結果どういう思いを抱えることになるのか身をもって知ってる(というか今現在その罪を償っている最中だし)ということを考えると、なるほどなぁ…と思いました。こういうまさかの組み合わせによって起こるキャラ同士の化学反応がGには本当に多いと思います。

 

 シオンにぶん殴られて嬉しそうに笑う東雲ショウマからは狂気しか感じないんですが、彼にとってはむしろ嬉しい誤算だったんじゃないでしょうか。

 シオンってどんな状況でも気高さや正義を忘れずにいたけど、(冤罪回でクロノが暴力をふるいそうになった時に「どんな理由があったとしても暴力はだめだ」と止めたレベルだったし)だからこそ憎しみに任せて暴力を振るってしまったシオンは、その時点で自分の誇りを捨てて堕ちたとも見えるんですよね。

 東雲もシオンがブチ切れるのを狙って煽ってたんだろうけどまさかぶん殴られるとは思わなかったろうし、自分の手によって今まで高みを羽ばたいていたシオンの翼が折れたんだから、そりゃあ笑みもこぼれますよ。

 そう考えると本当、東雲って聖書に登場する蛇とか堕天使だよねぇ…言葉を武器に相手を墜とす。手は出さない。東雲はヤンホモとかストーカーとかそういう安直な言葉では言い表せないヤバさが最大の魅力だとも思います。深淵?仄暗い水の底?本当言葉では言い表せないんだけどイメージとしてはそういう感じ。東雲ショウマは神様になりたいそうだけどある意味似たような存在にもなってると思うよ…。

 

 そして何より櫂との決戦でファイト楽しい!!ってなってたシオンに憎しみのままに人をぶん殴らせる唯にゃん性癖出てるな~~!!と思います!!好き!!!

 

先導アイチ

 前後が逆転して申し訳ないんですけど、これだけは書いておきたかった。先導アイチ。いきなりブラブレライドのイケメンアイチばあああん!!!!って出てくるものだから何度見ても慣れないし心臓持たない。

 満を持しての登場がブラブレライドっていうのがもう感無量だし、ブラブレアイチは小学生の頃のいじめられっこだったアイチの理想としていた姿だったけど、もうその理想の姿と今のアイチの姿って心身ともにそんな大差ないんじゃないかと思うと…。

 小さいころに思い描いていた理想の姿は、いつのまにか今の君の姿になってた先導アイチ尊い…。

 

 ファンミから「ファンの方々の並々ならぬ愛着や色々な意見があることは承知している」という回答が出るあたり、ファンの傾向とかもスタッフには筒抜けだし(というか所謂公の場所でもそういうコメントを残している人が見られる時点で隠れるも何もないんだけど)、そういうのを考えたら本当にスタッフは展開するうえで色々と議論されたんだろうなと思います。

 ニコ生で唯にゃん監督は「Gはクロノたちの成長の物語です」とおっしゃってたし、作品を見てもスタッフの方々がGのキャラクターをとても大事にされてるのも手に取るようにわかる。そのうえでファンのついているキャラをどう扱うかについては、本当にさじ加減のほどを考えるの大変だったろうな…と妙な邪推もしたり。

 だから今回のアイチの出し方も相当考えられたうえでの演出だろうなとは容易に想像つくし、まあ色んな意見もあるだろうとは思うけど、Gの世界にアイチは出てこないだろうな……と思ってた自分にとってはご褒美でしかなかったです。

 

 また自分はアイチが仲間外れにされてるとは思ってないというのもあります。物理的には離れてるけどちゃんと仲間たちと連絡取り合ってるし、そばにはラティもいるし心はつながってるから。何よりアイチ自身がアメリカを勉学を学ぶ地と選んで留学したわけだし。4期はアイチ自身がある意味絶望して自分自身を永久に封印するという選択ととったという本当の意味での孤独だったわけだけど、Gのアイチはそう考えると未来を見据えて行動できるように成長した男であり、一人でも立派に活動できるようになったということなので、むしろ孤独とは真逆だと思ってます。

 

 

閑話休題

 

クロノVSカムイ

 もう「最高」…この一言に尽きます。この二人の対戦を最終回にもってきてくださるなんて、本当に頭が上がらないです。ありがとうございます。

 

カムイの想い

 

 実はカムイがクロノと出会ったのもシンさんとかの企みの上でかと思ってたんですけど、二人の出会いは本当に偶然だったことが先週で分かって尊さが爆上がりでした…。そりゃあカムイも可愛がるわ…。そもそもカムイが伊吹の作戦に気づいたのはあの伊吹がディマイズコーチ時代の偶然の出会いからだったし、そう考えるとカムイって本当にほぼ巻き込まれる形で関わってない?

 そう考えると、Q4の時は子供で見てることしか出来なくて、今度は伊吹から話を聞かされて可愛い後輩が危機に陥るかもしれないのに、また黙って見ているだけなんて…っていう思いからの進路相談回の「俺が代わってやれたら…」だったんだなって分かって…カムイ……。過去の伏線や明らかになった事実によってセリフに重みがガツンと乗る演出大好きです。

 

 カムイは本当に偶然に巻き込まれる形で関わってるだけだから、別に目を逸らそうと思えば全然可能だけど、それをせずにむしろ「代わってやれたら…」って思考になるのが本当に「誰よりも強くて誰よりも優しいカムイさん」だよなぁ…可愛い後輩が危険な目に合うってわかってて以前とは違って止められる立場にいるなら、死ぬ気で止めるよなぁ…。

 

「カムイ君の五年間の立場や気持ちがよく出ている回でした」

 

 もうスタッフさんのこの一言に尽きるし、カムイの5年間すべてを含めたから、そして成長したカムイがGでクロノを導いていた過程があるからこそ重みのある回でした。

 カムイの多感な時期にいろいろと見てきたことやその時の思いも、それから成長してクロノを目にかけていた過程も全部含まれているからこそ神回になってるんだと思うと、Gスタッフからリスペクト魂感じるとかそういうレベルじゃない。

 
 クロノの決意
 
 そしてクロノはというと、今までお世話になってきたカムイに対して「今までもらったもの、ここまで来た自分のヴァンガード、カムイさんにすべて届ける!」という強い思いでファイトに挑んでいたのが最高に熱かったし最高でした。ありがとうございます。
 カムイは自分が何もできなかったことに対してもどかしさや悔しさを強く感じてるようだけど、カムイの根本にある強さや優しさは間違いなくいつもクロノを導いていたし、そのことについて他でもないクロノ本人がわかっているのやばい…。

 

 クロノがカムイに勝利したら、今までのカムイのクロノにやってきたことがすべて無駄ではなく、ひとつ残らずクロノの成長につながるものだったって証明する何よりの証になるんですよね。

 ヴァンガードを教えただけじゃなく最初の頃の人との打ち解け方が分からなかった時とかチームの事とか、クロノが自分一人でどうしようも出来ない時はいつもカムイがアドバイスや先導してたのを考えると、「あんたがいなかったら今の俺はいない」って本当にその通りだなぁって…。

 

 クロノのカムイへの精いっぱいの『恩返し』は今までのカムイからもらった沢山の思い出や想いを、ファイトによってちゃんと伝わってるってカムイに届けることだというのがわかって、本当に感無量でした。ツネトの言っていた「本当の弟子なら勝って恩を示せ!」を地で行ってました。

 

 カムイは自分が世話を焼いてたことについて「余計な世話」って言ってたけど余計でも何でもなく、最初の仲間の作り方も楽しいという感情も知らなかったクロノにとっては本当にかけがえのないものだったんだよね…。

 

 

 そしてずっと「自分が代わってやれたら」「代わってやれないのならここで…」「クロノに辛い思いはしてほしくない」って気持ちが大きくていつぞやの櫂くんみたいに負けたら死にそうなんですけど…みたいな笑顔が全くなかったカムイが、クロノのファイト見て、そしてクロノの本気具合を見て笑顔を取り戻して「来い!ノーガードだ!!」という流れになるんですから、もうこっちも泣きますよ。

 

 楽しいという気持ちも知らず仲間の作り方も知らなかったクロノに、ずっと付き添って色々と世話を焼いていたカムイの行為が巡り巡ってカムイの真っ暗だった心を救う展開、弟子が成長して師匠のところにたどり着き懐に飛び込んでいく自分の理想とする師弟関係の具現化だった…。お互いの気持ちがファイトによって通じ合って思わず涙が出ちゃうクロノとカムイ似た者同士かよ~~最高かよ……。

 

 お互いが全力全開でぶつかり、そして同時に相手の心をいたわれるからこそ最高の相乗効果が生まれる、そんなリスペクトあふれる師弟関係。尊くないわけがない。

 

 中の人の演技もこころなしか気持ち入ってるよなぁ…「カムイさんがいてくれたから俺はここにいます。これが俺なりの恩返しですっ…」ってとこホント好き…と思っていたところに中の人の『初めてヴァンガードGの収録をした時、静さんと二人で収録して、未熟だった俺をみててくれて、現場のことで悩んだ時も話を聞いてくれて。そのことを思い返しながら収録しました』というツイートを見てまあ色々とこみ上げてきましたよね…。マークさんも静さんも本当にありがとうございます…。演技も魂入ってたというか、本当に鬼気迫っていて、ぞくぞくした。ありがとございます。

 

 

 

 

 というわけでめでたくギアースクライシス編も最終回を迎えたわけですが、個人的な感想としては、Gは闇堕ちというのはなくて、むしろキャラががギリギリのところで踏ん張っているからこそえぐかったりするんだなと見るたびに実感していました。(そしてそういうところが好きです)また、無印からのキャラをGのキャラと絡ませることについて、本当に苦悩されたんだろうなと作品を見ていて素人ながらに思ったし、完ぺきとは言い難いとはしても「アイチたちの物語は一区着きました」とはっきり明言されていたのにも関わらず登場させてくれた、というのは贅沢の極みだと思ってるので頭が上がりません。何より、無印のキャラが出てくることで一番懸念されてたクロノたちが霞むのでは…という部分は物語上では一切見受けられず、むしろ未知のキャラ同時の掛け合いによって起こる新たな化学反応の連続で、毎週のように「今週のGは神だった…」と言っていた記憶しかないです笑

 

スタッフの皆さま、本当にお疲れ様でした。素敵な作品ありがとうございます。ストライドゲート編に突入していくわけですが、どんな展開になるのか楽しみにしています。

 

おそまつさまでした。