隠居生活

だいたいひとりでこじらせてます

カードファイト!! ヴァンガードG ストライドゲート編 第31話感想

タイヨウVSヒロキ

 

タイヨウ君とヒロキのファイトは小学生特有のほほえましさと、小学生とは一言でくくれないドロドロっぷりがツボでした。この二人、よく考えたら引っ込み思案で友達ができなかったタイヨウと、いじめられていたヒロキっていうかなりの似た者同士なんですよね。

 

守山ヒロキ

ヒロキがリューズ側についている理由は最初は子供らしく単純に正義の味方に憧れてっていう理由だと思ってたんですが、前回の話でいじめられていた経験がもとにあって、そこでいじめっ子や周囲の子たちに所謂自分の下した「正義の鉄槌」が肯定されたことによって自分のすがるものを見つけたっていうのが下地としてあるというのが、深夜アニメばりの演出によって見せられてそうきたか~~~~~!!!!!っとなりました。

いやだって流石のヴァンガでもあんな風にやるとは思わなかった…

 

 

ヒロキは小学生だから、いわば学校が社会のすべてなようなものだし、そこで今まで全否定されていたことからいきなり全肯定されたら、そりゃあ自信もつくし、ああいう性格にもなるよなぁ…。

 

ここら辺がタイヨウとはちょっと違うところだと思ってるんですよね。タイヨウも以前はユナサン支部で強さこそが正義だと思っていたけど、ユナサンの思想こそが絶対であって「自分の存在こそが絶対」って風までにはいかなかった。それはユナサン支部が老若男女入り乱れるひとつの組織であって、タイヨウはその中の子供という枠にいたからなんじゃないかなと思ったり。

ヒロキの場合は小学校が舞台で、子供でほとんどすべての社会が成立してるから子供のヒロキも強者として立ててたけど、タイヨウは東雲や神崎といったいわゆる大人と一緒の組織にいたことで、そこまで思い上がることはなかったんじゃないかなと勝手に思ってます。まぁ「自信がなくて絶対的なものを欲した結果、自分の掲げる正義に固執していた」っていうのは完全に一致するわけですが。

 

明日川タイヨウ

 

そして何よりそんなヒロキの性格をファイトによって「前の自分と同じだ」と分かって、そのうえで理解しようとするタイヨウ君の精神的な発達の力に驚きを隠せない。1期のころから地味に思ってたけどタイヨウ君はやっぱり聡い子だなぁと思いました。そのまま沢山お日様を浴びてのびのび成長していってほしい。

一般的に自分と性格な面での負の部分が似ている人っていうのは本能的に避けてしまう人が大半だと思うのですが、あえてその自分の一番ダメだった部分が似ている相手に歩み寄ろうとするタイヨウすごいよ…。

 

そういう部分も含めて「ファイトはその人の人間性すべてがあらわれる」なんだよなぁ…

(リューズの言葉を理解せずまま復唱するヒロキと、伊吹のこの口癖の意味を理解したうえで反芻していたクロノの対比?にもじわっとくるものがある)

そしてクロノがタイヨウの後ろで見守っている図が、クロノがブーストしてるようにも見えるのが良かったです。タイヨウ的には後ろにクロノがついているのも精神的な部分で大きかったとも思うけど。

タイヨウくんはクロノからもらった光を存分に浴びて素直に吸収して、それをちゃんと自分のものにして自分の道をちゃんと示して、あの日のクロノさんのように誰かに影響を与えられるようになったんだなぁ…。

 

タイヨウ君は歩み寄る気まんまんだし、ヒロキもまんざらでもないので普通に友達になりそう笑

ヒロキはヴァンガードを正義を執行する「手段」としてしか見てないわけだけど、いつか本当の意味でヴァンガードを楽しいと思えたらいいね。

 

最初ヒロキは性格が歪んでしまったのか…と思ってたんですが、正義を振るうことでみんなに距離を置かれちゃってて、そのことが不安でたまらなかったけど、以前周囲に肯定された自分の掲げる「正義」に固執することで自分を保ってたのかな?と31話を見て思いました。

弱いからこそ何か外部の絶対的な何かにすがりつきたくて、その結果が自分の正義に固執する守山ヒロキなんだろうな。ヒロキが守っていたのは世界の平和ではなく自分自身の精神的な平和だったんだ…

なので歪んでるというよりは、その一歩前の本格的に歪む前の「何がいいのかわからなくなって迷子になってる状態」だったんだなと。

 

そしてこれは1期のユナサンのタイヨウにも、そして今週のアムにも通じる部分でもあるんじゃないかなと思ってます。

 

 

アムとトコハ、そしてルーナ

アムの本心

ルーナやトコハの前で自分の今までしてきたことを明かし「綺場シオンを罠にはめたとき、私は楽しんでた。現実を知らないお坊ちゃまが、ざまぁみろって思った」とまで言い放って二人を突き放したアム。こんなきつい言い方をしたのは、二人をこれ以上関わらせないこと半分、本当に本心なことが半分じゃないかなと自分は思ってます。

 

アムの両親は交通事故で植物人間、自分は幼いころからずっと芸能界で働いてきていて、そんなアムにとってお坊ちゃまで、両親も健在で誰からにも守られてて不自由のない生活をしていた(シオンもシオンで御曹司としての苦労は絶えませんでしたがアムにとっては知ったことではないだろうし)シオンは、羨望と嫉妬の対象になってたのかな?と。

 

ラミーラビリンスの真の理由

ラミーラビリンスはピースメーカー、惑星クレイから召喚されたユニットを操り、ストライドゲートを開く役割を担うというのが真のリューズ側の目的だった。子供たちの中から選ばれた「コスト」でもある。

 

クロノ本格的に狙われてるやつじゃん!ヒロキ君も当初はコスト対象として集められてた可能性もあるじゃん!?江西支部長も18だしギリギリ子供枠じゃん!?子供をコストの対象にするとかリューズ手段選ばないな!?

 

とまぁ色々と爆発しましたよね。華やかなアイドルの真の目的は野望を果たすためのコスト扱いとは…。

 

ルーナとトコハの決別

でもアイドルとしてステージに立っていた時が仮のものだとしても、アムはあの時本心から楽しんでした、そんなアム救いたいと決意を固めるルーナと、そんなルーナを見て「私には何も言えない。自分の信じる道を行って」と背中を押すトコハ。

このシーン、めちゃくちゃ穏やかで静かだから普通に見てたけど、アムの味方でいることを決めたルーナと、それを止めることのできなかったトコハの所謂決別のシーンなんだよなぁ…。

激昂した勢いで決別したとしたら、むしろ冷静になってからまた話し合って…って感じで仲を戻す可能性もありそうだけど、あそこまで穏やかに相手の意見を尊重したうえでの和やかな決別は、二度と同じような関係に戻らないんだろうなぁ…と逆に思わせられる。意見の違いからの決別じゃなくて、むしろ相手を肯定しているが故の決断だから、この別れから再び修復するのはそう簡単にはいかなそうなのが。

 

ルーナとアム

そして独りぼっちの道を選んだはずのアムでしたが、ルーナがアムを独りにさせませんでした。「私がこの手袋の代わりになる」は名言だ。手をつないで実験室に入っていく二人が尊い…。絵面はどうみても手に手をとって海の中に進んでいくみたいな感じですけど(というか状況が完全に死に向かって手をつないでいってるわけだからあながち間違いでもないという)

自分は今までてっきりルーナは光の立場からアムを引っ張り出すのかと思ってたので、まさか一緒に地獄を道を選ぶとは思わなくて普通にびっくりしました。でもよく考えるとルーナはアムを心から尊敬してて、一緒にいたいという気持ちがとても強い子だったな…と考えると、この道を選んだのもわからないわけではない…バッドエンド直行の気配しかしないけど。

 

 

怒涛の展開でした31話。希望と絶望を同時に見せつけられて消化に時間がかかる(というご褒美)。そして次回予告ですでにワクワクが止まらない(いろんな意味で)

おそまつさまでした。