隠居生活

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カードファイト!! ヴァンガードG ストライドゲート編 第32話~34話感想

ヴァンガードGストライドゲート編の32話~34話の感想です。

今回は要所をかいつまんでいる感じなので前後が反転してたりしますがご了承ください。

 

ピースメーカーたち

リューズによって選ばれ、そして自分たちの意思でピースメーカーとなることを選択したルーナとアム。しかし、ピースメーカーはクレイのユニットを現実の世界に召喚するためのただのコストであり、ユニットを召喚するのに必要なストライドフォースを吸収されると自身の体にも弊害が生じる。

アムは体に、ルーナは精神に変調が起きて、結果ルーナは自我を失い、ユニットを召喚するだけの存在になってしまいました。

 

本編では笑顔が絶えずみんなの癒し枠だったルーナから笑顔どころか人間としての感情を根こそぎもぎ取っていくというこのえげつなさよ…

 

そしてアムは植物人間状態の両親を目覚めさせ、自身の今までの不幸を帳消しにするために色々とやってきたわけだけど、それが巡り巡ってこのルーナの植物状態につながってしまったと考えるとえぐい…。自分が今まで選択してきたこと、やってきたことが今までずっと自分の心の支えでかえがえのない存在だったルーナを、自分が助けようとしている両親と同じような状態にまでつなげてしまったというのは、アムにとってはこれほどまでにつらいことはないと思う。何がつらいってまごうことなく「ルーナがこんな目に遭っているのは自分のせい」だから。言い訳なんてできないし逃げ場所もない。そしてこれがアムの罪なのかなと思ったり。

しかしルーナはこの後ちゃんと元に戻るんだろうか…。

 

 

安城マモルという人間

そしてそんな自我喪失状態のルーナ、エース扮したアム、そして江西Pもとい江西支部長がリューズに逆らう罰を下しにドラエン支部へ乗り込んできたわけですが、そんなリューズ側の思想を正論でもってぼこぼこにかましたのが安城マモルでした。

 

「僕達の仕事は、ヴァンガードを通じて皆の笑顔を守る事だ!!」


「本当に正しいと信じる事なら、正々堂々とすべきだろう!君達は、普及協会に集まるファイター達に真実を明かす事無く、その力を利用した!」


ヴァンガードが公平で正しいと言うのなら、それを裏で利用するようなマネが、許されるワケがない!」

「何がコストだ!子供達の笑顔を守るのが大人の役目じゃないのか!?ファイターの心と、ヴァンガードを汚した時点で君たちの言葉に耳を傾ける価値など無い!」

 

「そんな薄汚い手でつかみとった未来を、君自身、守るべき人々へ誇れると本当に思えるのか!!」

 

 

ド正論をかましながらかげろうの炎で片っ端から焼き払っていく安城マモルマジかげろうクランリーダー。こっちの思っていたことを余すことなくバジッと言ってくれてかつ勝利まで収めてくれたので正直気持ちよかったです笑

 

一時期は自分も間接的にリューズの野望に加担していたことを知ってショックを受けていた彼ですが、それでも自分の信念を見失わずにいたからこそのこの言葉だと思うと、安城マモルの精神的な強さもさることながら、江西くんに向けた言葉の重みもすごいなぁ…となります。

 

時には迷うことも、自信のない時や自分の信じてたものが揺らぐ時もあるけれど、自分の言葉や考えはちゃんと持っていて、「子供たちの笑顔を守る」という理念を崩さず、そのためには何ができるのか建設的に考え、実際に行動して結果を出すことのできるほどの実力も持っている。それが皆の憧れ、かげろうクランリーダーの安城マモルなんだ…と33話を見て思いました。トコハをかばって大けがしちゃうところもマモルさんらしい。

 

リューズの野望と彼の人間性

一方リューズは再びクロノに接触し、再度自身の野望を明かします。

平たく言うと「憎しみも、争いもない、みんなが平和で心穏やかに笑顔で暮らせる世界をつくること」(どこかの新興宗教かな?)

そして自身の野望が果たされるまでに生まれる憎しみや悲しみは、「尊い犠牲」、つまりコストなのだそう。

すんごく矛盾してませんかね?と思ってたところにクロノの恒例の視聴者の代弁がつきささりました。

 

「けど、お前はシオンの家を滅茶苦茶にした!ラミラビの2人も巻き込んで…俺の親父の事だって…。親父がいなくなったせいでミクルさんがどんだけ今まで…俺だって……。おかしいだろ!?皆を幸せにするためなのに、何で皆を苦しめる!?」

 

ほんまそれな!!って感じなのですが、リューズにしてみればそれは「完全なる未来が訪れれば、全ての犠牲に価値があったと証明出来る」のだそうで、つまり犠牲はつきもので、それもリューズの言う完全な未来が来れば意味を持つのだそう。まったく反省する気ゼロである。コストを抑えるという考えはないのか…。

 

 

そしてその完全なる世界をどう作る気なのかというと、「地球とクレイを結びつけ、運命力を引き寄せ、幸せは地球に、災いはクレイに向けるよう工作することで、地球側が完全に平和になる」という算段なのだそう。リューズクレイの住民完全に敵に回してますがな。(本人もそこは承知の上みたいですが)そんなリューズのやり方に反対して、結果姿を消したライブ。そんなライブに対しても「なぜ彼が私を裏切ったのかわからない」と本気でこぼすあたり、リューズは基本的に自分の信念や理想は全世界の意志であり、反対するものなどいないという考えが根本にあるタイプなのだろうなと思いました。

 

自分の考えは絶対で、もっというと全世界の意志であり願望であり、それが肯定されることが前提としてあるので、彼が主張する理想郷の像もふわっふわなのかなと思ったり。だってみんなが彼の理想を理解していることが大前提だから具体的に説明する気もないだろうし。

 

だから自分は暴力が嫌いだけど、人には平気で暴力も振るう。だって自分の振るっているものは「暴力」ではなくて「裁き」だから。自分に逆らうものは即ち世界に逆らうものであり、裁きを受けなければならない。もしくは「必要な犠牲」という認識で、自分が「暴力をふるっている」なんてこれっぽっちも思ってないんだろうな…と思うと、リューズの人間性ってかなり歪んでるよな…と背筋が寒くなります。リアルにいたらかなり困るタイプだ。

 

そして「地球に幸せと平和を、クレイには逆に災いや不幸を注ぎ込む」つもりらしいけど、ヴァンガードの世界では地球とクレイはお互いに影響しあっているので、クレイに災いが起きれば地球も連動してしまうのでは…?と思うのですが、地球とクレイのそういう面でのつながりについてはリューズは知らないのだろうか、それともそこまで考えが至ってないのか…。

 

 

クレイとのつながり~すべての始まりの場所~

そしてそんなリューズがクレイとのコンタクトを取るために作った機関に出入りしていたのがライブと幼いクロノでした。

 

「クロノ…、君こそが、特異点なんだ」

 

「惑星クレイと、この世界を繋ぐ道を最初に創りだしたのは君だ」

 

リューズの言う通り、最初にクロノドランというユニットとコンタクトを取り、地球とクレイをつなぐ道を最初に作り出したのは、他でもない新導クロノでした。

ただクロノは本当に「イメージ力の強いただの子供」で、たまたまあの時に接触ができた(クロノドラン曰く「僕達の出会いが、キミを特別にしたんだ」)ということなんですが。

 

 

そう考えると、クロノが道を作らなれば伊吹がヲクシズに記憶を乗っ取られてやらかすことだったりもなかったわけで、巡り巡ってそんな伊吹がすべての始まりの少年ともいえるクロノと接触しているというのは、なんだか壮大なものを感じる…。

 

 

伊吹コウジ

今回、ドラエン支部が崩壊したことで、自分のせいでみんなが危険な目に遭ったことついて負い目を感じていたり、自分の道が本当に正しいのか見失いかけていたりと、いつも以上に人間味が出ていて見ていて面白かったです。あとさすがにユニットにダイレクトアタックかまされたら骨折はするよな。カムイに「ちゃんと治せよ!」と煮干しまで差し入れしてもらっていたのにも関わらずギブスつけたまま戦線に復活してるのを見て、本当に自分のことを大切にしないよなぁと思いました。

 

あと伊吹が1期最終回でクロノに真相を伝える場所に選んだところも、ミクルさんにリューズが生きていることや真実を伝える場所に選んだところも、あの事故のあった跡地で、つまり「すべての始まりの場所」なんだなと思うと、口には出さないし自分からアピールすることはないけど、伊吹ってヴァンガードや新導事情にもかなり真摯に向き合ってるんじゃないかな。ライブさんから色々と聞かされて、自分の贖罪の道(自分がヴァンガードのために何ができるのか)を考えて、そうやってずっと行動してきてたんだな…と思うとじんわり来るものがある。

 

致命的に口下手だけどいつもヴァンガードやその未来に真剣な伊吹コウジ…。

 

 

 

 

リューズの無慈悲なスタンガン攻撃によって気絶して拉致られるクロノと、奪還するため乗り込むシオン、トコハ、伊吹。それを迎え撃つカンパニーの面々。来週も楽しみにしています!

 

おそまつさまでした。