G4話「エースの罠」感想
今回は唯にゃん直々のコンテ回もあってか情報量がすごかったのでまとめがてらに書き出してみました。
長い上にネタバレしかないのでご注意ください。
綺場の継承の儀式
いきなり雅楽で始まるから何のアニメかと思った。
シオンが綺場家の正式な後継者になるための儀式が執り行われていた。
それを見守る叔父さんとお母さん(お母さんめっちゃ美人じゃないですか!?)
烏帽子に袴というかしこまった出で立ちで舞を踊りながら御簾の前に進んでいくシオン。
するとおもむろに御簾が上がっていき、その向こうにいる人物が姿を現す。
…和装のアルトマイルかな?
剣を取りかざすも何も起こらない事に疑問を抱く叔父と少し困った顔をするシオン。
(何故かについては後述)
悪しき者を模した鬼たちに取り囲まれるが、シオンはその剣で鬼たちを払い、儀式は無事に終了しました。
綺場家に伝わる伝説
巻物調の絵柄で語られる綺場家に伝わる昔話。
「今は昔、悪しき領主が多くの民を苦しめていたとある国で、ひとりの男が行き倒れていた剣士を助けた。彼は異なる世界から来た者で一振りの剣を男に与えた。」
この倒れてる剣士これアルトマイルだよね????めっちゃアルトマイルだよね???
ちょんまげの平民の中でめっちゃ浮いてるよね????
ついでに剣も西洋製だから世界観から浮きまくりですね???
「『光輝の剣』、fide、正しきものが振るえば剣は自ら光り輝きすべてを打ち倒す。剣の力で悪しき領主を討ち果たした男は皆に請われてその地を収め、騎場一族繁栄の礎となった。そして僕は正式にその継承者となる」
(なんでここにfideが挟まれてるのかよくわからないんですが、僕はその伝説を信じていると言う意味でとっていいのかな?)
騎場の跡取りになる資格があるものというのはつまりその伝説の剣を継ぐものということらしいですね。
綺場を取り巻く面々
儀式が無事に終わり、庭園に出てパーティーをする面々。
挨拶に回るシオンを遠目に見て話すモブ参加者。
「随分変わった儀式でしたよねえ」
「要は後継者のお披露目さ。騎場の権威づけも兼ねて、というところかな」
どうやら綺場家についてあまりよく思っていない人達も居る模様。
式が終わり祭壇を片付けている様子を見守る綺場一家と岩倉さん。
お父さんめちゃくちゃダンディだな!?
「光りませんでしたね…伝説通りなら真の継承者のもとに渡った時光るものだと」
「あれはただのおとぎ話だ。おそらく西洋から流れ着いたものでもいたのだろうな。
ちょうど綺場の一揆がおきた時だったから絡めて伝説になっただけで現実にあるわけがないさ」
(綺場の一揆とは???)
というわけでシオンが剣をかざした時に訝しがっていたのは剣が光らなかったことについてだったことが分かります。
「もし惑星クレイが実在していたら、その剣はクレイから来たのかも」
これは惑星クレイとリンクしていく伏線ですね多分
その時式の最中に携帯を鳴らしてしまった人がシオンに挨拶にくる。
お父さんに叱られて「ごめんなさい、兄さん…」と言ってるのでシオンのおじさんにあたる人らしい
「聞いたぞ、またくだらん話に投資して失敗したそうだな」
「あ、あれは将来絶対みんなを助ける筈で…!」
「あなた、ウヅキさんも綺場のことを思ってやったことなのですから…」
どうやら兄弟の中は悪いみたいですねえ…昼ドラの匂いがしますねぇ…
岩倉に勧められてお茶を飲むためにいったんその場から離れるおじさん。
しかし綺場の館の中で冒頭の謎の人物と不穏な電話をしていました。
(蛇足ですが館内がモデルである旧古河庭園とそっくりだったので感激しました)
「僕には無理だよぉ!僕にはそんな大それたことできっこない…!」
「じゃあいいぜ?俺との取引はここで終わり。あんたは永遠に騎馬一族のみそっかすだ。こっちの支度は出来てる。後はあんたがトリガーをひくだけだ」
そこに現れるシオン、叔父さんはそそくさとその場を去ります。ポケットからのぞくカエルのストラップ付の携帯がどうみても意味深です。
エースコーポレーションの策略
数日後、エースコーポレーションが綺場を買収したと言うニュースが流れます。
既に複数の企業が買収に応じたとのことで、事実関係を確かめるためにお父さんが会議に出た直後、見計らったかのようにシオンに非通知から電話がくる。
それは「エース」と名乗る謎の少年からだった。
少年はエースコーポレーションの代表だと名乗り、今夜8時に会おうと持ちかけて来る
そして「なんとかの剣だっけ?だめだぜ?大事な物にはちゃんと鍵をかけておかないとな」
シオンが慌てて確かめにいくと剣が盗まれていた。そしてその脇に落ちていたカエルのキーホールダー付きの携帯が鳴る。
まあこの時点でシオンが知らない事実を省いても
・ガーデンの時に一時的に一人になっていたおじさんにはアリバイがない
・カエルのキーホルダーつきの携帯はおじさんのもの
・祭壇に上がっても怪しまれないのは親類の誰か
という時点で9割おじさんが犯人っぽいですけどね…
謎の少年・エース
約束の午後八時、とあるバーに呼び出されたシオンは謎の仕掛けによって地下のファイトスペースに連行される。
そこに居たのは黒服に拘束された叔父さんと謎の少年エース。
どうやら叔父さんにその剣があれば真の継承者になれるかもと吹きかけたら持って来たらしい。
(まあもうこの時点でエース君とウヅキおじさんが手を組んでいるのはほぼ明らかなんですけど、シオンはそんなこと思いもつきません)
「ファイトしよう!」と持ちかけるエース。
シオンが断ると「それじゃあ君が勝ったら剣は返すし綺場の買収もやめる」
「俺らの人生を賭けたゲームだ」
エース君は人生賭ける気ないやろ!!
「実は株主どもの買収は8割がた終わってんだよねえ、明日の朝になればすべて俺の物だ」と煽りまくるエースの挑発に「僕は真の継承者だ!こんな卑劣な卑劣な奴なんかには負けない!」と真っ正面から買っちゃうシオン。ここで疑いを持たないのが何だかんだで14歳になったばかりの少年と言う感じがしますね…。
エースが提案したのはパックファイト
(エース君は自分のデッキで戦えない理由があるのか?デッキがばれたら何かまずいことでもあるのかな?)
しかしGユニットの枚数ですでに圧力かけられてるんですがそれは…。
「楽園追放」
さて、ファイト前に現れた謎の絵画。もうご存知の方も多いと思いますが、これはシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの「楽園追放」です。
描かれているのは蛇がイブをそそのかして禁断の果実を勧め、それを食べてしまったアダムとイブは神の怒りを買い、楽園から追放されてしまうという場面です。
蛇がエース君なのはもう言うまでもないですが、右画面の天使に剣を突き付けられて楽園を出て行くアダムとイブが、もう未来のシオンですよね…
耐え難い不安と絶望感を抱える悲壮な表情を浮かべるアダムとイブ…
そしてこの絵画をファイト前に差し込んでくる唯にゃん実にゲスい!
ウヅキおじさんについて
ファイト中に降りかかるエース君の精神攻撃。
「そういえばさぁ。君の家に伝わる剣は、真の継承者に渡った時に光るんだって?」
そしてエースが指さす先には光る剣を持って呆然とするウヅキおじさんの姿が。
おっさんに持たせた時だけ光るんだよねえと楽しそうに笑うエース君。
そしてここからおじさんのターンに入ります。
「僕は弟だからって剣に触らせてももらえなかった。でも、もしかして僕が本当の継承者だったのかな?だったら僕がそこにいなくちゃあいけなかったんじゃない!?綺場を守るのは僕なんじゃない!?」
ウヅキおじさんは冒頭でも失敗はしたとはいえ、綺場の為と思って投資をしていることが明かされていますが、その行為から見ても根底には自分も弟で綺場の一族のひとりであるという誇りを持っているんじゃないかなと思いました。自分も綺場の一人だし家を守りたかった。でもいつも上には自分よりも優秀な兄がいて剣に触られてすらもらえなかった。綺場の継承者の証である剣に触らせてもらえないというのは、ウヅキおじさんのプライドをいたく傷付けただろうと想像はつきます。いつも努力してもすべて裏目に出てそのたびに優秀な兄から叱られ、ウヅキおじさんはコンプレックスをこじられていったと考えると「そこにいるべきなのは僕なんじゃない!?」というのは演技じゃないのかもしれない…。
しっかしドロドロしてんな…昼ドラも真っ青な今回の脚本。人の持つ嫉妬やコンプレックスを利用して自分の思う方向に持っていくやり口嫌いじゃない…。
エースの罠
結果的にエース君に新カードのカムスサノオでとどめをさされて負けてしまうシオン。(こんな販促あるか!?)(シオンが焦りながらファイトやってるときにカードの扱いがちょっと雑になっているのが細かい)
去りながらエース君は真実を明かします。
「実は綺場の買収がほとんど終わってるってあれ、嘘だから。4対6で俺らがちょっと不利、でもこれで決着がつく。やっすい挑発に乗って綺場家をゲームなんかにかけて、しかも負けた!そんな継承者が担う世界に未来はあるのか?」
黒服によって全貌を撮られており、しかも株主の間に中継されていました。(これどんな同人展開?)
ヴァンガードで株動かされても…という感じもありますがまあヴァンガ世界だから…
あと真面目に考えると綺場に良くない感情を覚えている人も少なくない状況で、一人息子であり未来の後継者の不祥事はどんなものであれ失脚させるには大変おいしい餌なのも確かなんですよね。事実ちょっと考えれば分かりそうな罠でもシオンは家をかけて真向勝負を挑んでしまったわけだし、ゲームですらそんな状況なら金や自分たちの会社を任せられないと判断されてもまあ、筋は通ってしまう。金が動く世界で「子どもだから」は通用しない、むしろ何の力もなく社会的な経験の浅い子どもだからこそ罠にハメやすい。実にゲスいぞ唯にゃん。実際に芸能人の結婚報道とかですら株は大きく動くしね…。
シオンの決意
結局会社も家も叔父さんに乗っ取られてしまい、父母は地方の親類を頼って再起の為の活動を始めるそうです。
シオンは「岩倉にはそちらについてもらった」と言ってますがこの言い方から見るに、多分岩倉は初めはシオンの元に着くといったんだろうな…それを今は両親が忙しい時期になるからそっちを手助けしてほしいと言ったんでしょう…
シオンはひとり6畳一間のアパートに移り住むことになりました。
僕はエースを追う、と決意を固めるシオン。
心配するクロノとトコハに「大丈夫だ、どこにいても僕は僕だ。ヴァンガードもGクエストも続ける」と言います。
このセリフが一番意外だったんですが、1期のシオンならここで「エースを追うのに力を注ぎたいからヴァンガードはやめる」と言っていてもおかしくないと思うと、紡いでいったT3の絆の大きさを感じます…。仲間がいるということをちゃんと自覚しているので一応安心したよ。
前向きに考えると今までは良くも悪くも「綺場の跡取り」という重さに縛られていたシオンですが、それが根本からなくなってスタート地点に立てたということでもあり、エース君がファイト中に問うた「君は何?」の答えを見つけ出していくんだろうな…。
今回話の中で何度もシオンが現実を知らない甘ったれのお坊ちゃまだと罵られている場面があったんですけど、まあ世間知らずなのは事実ですが(それこそまだ14歳になったばかりだし立場上守られるべきであり、明確な悪意に当てられる機会が少ないという方が健全なんですけど)精神的にも状況的にもボコボコにされても、なお気高さを忘れずに前を向いて「僕は僕だ」ときっぱり言い切れる時点で甘ったれのお坊ちゃまではないんですよね。まぎれもなくイケメン。東雲が目を付ける訳だ。
リューズの企み
所変わって叔父さんとエース君。
無事に(?)会社を乗っ取ることに成功してエースにお礼を言うウヅキおじさん。
壁には例の伝説の剣が大事そうに飾られています。
「いつくも会社を動かしてたり難しい契約もしたり、君はいったい何者なんだい?」
「それについてなら俺らのボスが色々お話ししたいってさ」
エースが渡した手紙の封蝋にはギアクロを思わせる歯車のマークが…
(ご愁傷さまだけどおじさんこれ無事に帰れないと思うわ…)
Cパートで伊吹が公園で新聞を読みながら「トライスリーの一人、綺場シオンの逆境。これも奴のたくらみの一つだとしたら…」と物思いにふけってますが(日曜日のおじいちゃんかな?)、エースの黒幕はやっぱりリューズ氏なんでしょう。果たして奴はなぜ綺場を根本から潰しにかかったのか?
伊吹の企みをくじくための見せしめ?それとも伝説の剣を手に入れる為?他にも何か目的があるのか?
何にしても目的のためなら手段を択ばない人物なのは確かなようです。こわ…。
まとめ
唯にゃんが輝きまくっていた回でしたね!宗教ネタが盛り込まれている回は情報量が異常な気がする。あと櫂くん登場おめでとう!