隠居生活

だいたいひとりでこじらせてます

櫂トシキと綺場シオンの邂逅と覚醒

6話と7話の感想です。主にシオンと櫂くんに焦点を当てています。

 

シオンの絶望

ドラエンのGクエストのお手伝いを終え、クロノとトコハと別れ、ひとりになった途端に今まで浮かべていた笑顔が跡形もなく消え失せ、文字通り無の表情となったシオン。悲しい、寂しいなどの表情が削げ落ちた様子を見て、一歩間違えれば取り返しのつかないことになっていたのではないのか…と今では思います。

櫂くんとファイト出来ることになり、最初は「胸をお借りできるなんて~」と紳士らしさを忘れていないように見えましたが、何度ファイトをしても勝てない櫂くんが自分の全てを奪ったエースと重なると途端に余裕を失くしてしまいます。

自分自身のイメージの中では心に染み付いていたエースと東雲が容赦なく精神攻撃を繰り出してきます。その様子を見るに、シオンは完璧主義な故に常に自分自身の中にも自分を追いつめる存在がいるのではないのかな~とも感じました。もしくは自分の過ちについて誰かに裁いて欲しがっていたのかもしれない。今回はそのイメージ力が暴走して追い詰めるどころか暴力になっていましたが。

そういう内面的なものはシオン自身にしか分からないものだし、誰かが強引にでも切り込みを入れなければ堂々巡りなんですよね。そんなときの櫂くんの「イメージしろ!」なんです。それはシオンの中で一筋の光となった、ということでしょう。

 

レジェンドファイター・櫂トシキ

さて、それでは櫂トシキはというと、まあ一見すると

無愛想、伊吹以上に何を考えているのかわからない、無口 です。

何せカード用語以外だと「イメージしろ!」しか言ってませんからね。

だからこそ、その一言が印象深く残ったのかもしれないですが

その上容赦なくシオン(の盤面)を焼きまくります。YKS!!

しかし無愛想だけだったかと言うとそうではなく、シオンに(おそらく)コーヒーを奢ったり、寝落ちしたシオンに自分のジャケットをかけてあげたり…

櫂くんの小さな優しさがにじみ出て胸が熱くなりました。

 

小学生の時にアイチに何気なく自分のカードをあげてしまうみたいに、寝落ちしたシオンに寒いだろうなみたいな軽い気持ちで自分のジャケットをかけてあげたんじゃないのかと思うと、櫂くんのそういう見返りを求めない優しさは成長して性格もろもろが変わったとしても、変わらずにあるものなんだなぁ…と。

だってほとんど面識のない少年に自分のジャケットかけるか?戻って来る確証もないのに?櫂くんのそういうところすごく好きなんだよ…。

 

コインランドリーファイト

一見ギャグか?と思わざるを得ないコインランドリーファイトですが、密室状態・深夜・外は雨でどこにも逃げ場がない状態というのは、なかなか精神的に辛いものがあります。それを見て自分が思い出したのは3期の櫂くんのЯ回でした。

 

櫂くんがЯ化したあの回も状況はほぼ同じなんですよね…。どこにも逃げ場はなく、どこを向いても希望が見えず、絶えず自分を追いつめて来るイメージ、そしてどう考えても勝てそうにもない相手…。シオンが「黙れ!!」と連呼した時に櫂くんの目が険しくなったのはもしかして過去の自分を思い出してたんじゃないのかな…。

 

精神状態が追い詰められているシオンと過去にЯ化してしまった櫂くんをぶつけてくる唯にゃんのさじ加減が本当に絶妙で頭が上がらない…。

 

シオンの覚醒

櫂くんとのファイトを通じて、何だか様子が変わったシオン。どう変わったかというと…

 

『フィールドは広大、チェイサーを見付けるのにも時間がかかる、Gクエストに関わるクエストの発注は禁止、なら…』と実況中継を利用してチェイサーを挑発し、上野大仏の場所に呼び寄せてまとめてポイントを獲得し。また自分が端正な顔立ちであることを理解し、それが女性にどのような印象を抱かせるかを熟知した上で利用していました。

 

覚醒ってそっちの意味でか!?

 

今までも素で毒舌だったことはあったけど、自分の強みを自覚して意識的に利用できるようになったのならもう怖い者なしだわ…シオン強い。

 

と最初は思ってたんですけど、Bパートでの三和くんとのファイトでまた違った印象を受けました。

 

 

「僕は今まで色々なものに守られていたんだ。その優しい世界の中で綺場の名誉と誇りを支えに僕は誠心誠意やってきた。でもそれじゃあ勝てない相手がいる!どんなリスクを冒しても前へ進む!綺場を取り戻すために僕は綺場を捨てる!」

 

今までは汚い手を使う事を嫌がり、どんな時でも真っ正面から勝負を挑んできたシオンですが、勝つためなら自分の武器を最大限に利用し、あれだけ慎重だったシオンがリスクを恐れずに進むようになっていました。

そして綺場を捨てる!と宣言したシオンと連動したように、己の象徴でもある剣を捨てて素手で殴りかかるアルトマイル

 

以前にシオンはまだ14歳になったばかりの子どもだし立場上守られるべきであり、明確な悪意に当てられる機会が少ないという方が健全と書きましたが、シオンは14歳にして、自分からその今までの所謂優しくて恵まれた環境を捨てる覚悟を決めました。

(でも綺場を捨てたシオンが再び綺場を取り戻した時にあの例の伝説の剣が光り出すんでしょ?と思ってるんですが)

 

でも大きく変化しても櫂くんに貰ったジャケットを返そうとしたり、去って行く櫂くんに深くお辞儀をしたりと、礼儀正しい面も健在だったのはよかった。

 

 

先導者・櫂トシキ

Gクエスト中、三和君とファイトするシオンを物陰から見守る櫂くん

随分気にかけてたみたいじゃん?とからかい半分で三和君に問われ、「あいつの目が強くなりたいと言っていた」と何でもないように、でも声色は優しく呟く櫂くん

(トライスリーはどうだ?と伊吹が二人に問いかけていたので、伊吹はやっぱりある程度は事前に事情を説明していたのかな?と思いました)

 

櫂トシキは成人しても「甘やかしはしないが見捨てることもしない」を地で言っていて櫂トシキ…ほんとお前は…そういうところが大好きなんだ…

 

そして極めつけはシオンに対して「スターゲートで待っている」

あくまで敵役、シオンの超えるべき壁として、シオンを待っている、と…。

 

櫂トシキ~~お前はまたそうやって追いかけさせる~~だからヤンホモが生まれるんだろ~~~???

 

男の人が執着しやすい対象と言うのは自分がもう少し頑張ったら届くかもしれないと思う相手なのだそうで櫂トシキがそれをまんま体現しちゃっているのがまた信ぴょう性を高めますね…。

 

唯にゃんの描かれる櫂トシキがどういうものになるのか最初は期待半分不安半分だったのですが、むしろここまでしてもらえるとは思ってもみなかったので頭が上がらないです…ありがとうございます…

 

 

覚醒したシオンが今後どのような運命をたどるのか、T3はどうなっていくのか、今後ものんびり見守ろうと思います。

 

 

最後に…仲良し0組ありがとう本当にありがとう!( ;∀;)